設立趣意

3-biz移行を阻害するもの”

前著から3年。待望の実例集「月3万円ビジネス 100の実例」が2015年7月に発刊されました。各地で数多くの試みがなされたことは、大変喜ばしいことです。しかし、僕のまわりを見る限り、興味・関心の大きさの割には実践に移した人は少ないと感じています。これまでの僕の経験や見聞きしてきたことから、自分なりに阻害要因を分析してみました。大きく分類して、A~Dの4つあります。

A.時間をつくれない

いいアイデアが思いついても、明日から売上が出るビジネスは、まず無いと言っていいでしょう。どんなことにも準備が必要です。働いている多くの人にとっては、まず準備の時間をつくることが難題のようです。

B.未知のものには飛び込みづらい

はじめて水泳をやるときのように、自分にとって未知のものに飛び込むのには勇気が要ります。しかし、一度泳ぎ方を覚えてしまえば、恐怖心はなくなり、たのしむことができます。泳ぎ方のノウハウは一般化されており、身につけやすいものです。ビジネスにも一般化されたノウハウはあるものの、変動要素が多すぎるため、状況に応じて考えていく必要があります。人から習うことに慣れすぎたせいか、あるいは失敗を恐れてか、現代の日本人はマニュアルにない場面での判断や、独学で身につけることが苦手です。ビジネスはフリースタイルで正解はありません。自分に合う方法を自分で見つけなければなりません。

C.諦めが早い

これには2つのパターンがあります。C-1.最初がうまくいかないパターンと、C-2.最初だけうまくいくパターンです。

C-1.最初がうまくいかないパターン

ギターを弾いたり、野球をするのと同じように、一度もやったことがないことを練習せずにいきなりできる人はいません。新入社員は最初からはいい仕事はできません。同じようにビジネスも、はじめからうまくできるものではないというのが当たり前のように思いますが、なぜかビジネスだけは最初から失敗してはいけないもの、という認識が広まっているようです。一度もやっていないうちに、あるいは一度やってみてうまくいかなかっただけで、自分には向いていないと背を向けてしまうのはもったいない。まずは1人に満足してもらえるところまで続けよう、という気がないならば、やる意味はないと言っていいでしょう。

C-2.最初だけうまくいくパターン

まれに最初からうまくいくケースがあります。これは「知り合いが多い&うまく宣伝できた」ケースや、「新規性・話題性&うまく宣伝できた」ケースです。いずれも最初の宣伝と、時間・場所・価格の設定はかなり上手にできた、と言っていいでしょう。とてもすばらしいことです。しかし、商品やサービスには性格があります。年に1回でいいものか、毎日でもほしいものか。最初のやり方が通用しなくなっただけで、諦めてしまうパターンです。うまくいかなくなったのには、ほかにも様々な要因があると思いますが、いいこと、好きなことなら、たのしさを維持しつつ、知恵の限りを絞ってうまく続けていく方法を追求していきたいものです。

D.たのしさが持続しない

仕事そのものはたのしくても、準備や後片付けは地道な作業です。また、先にも書いたように、失敗から学ぶ必要がありますが、失敗をあまり深刻に受け止めないようにすることも重要です。自分にも言えることですが、準備も失敗もそれごとたのしむ方法を持っておくことが大事だと思います。

  次は、 ”阻害要因を取り払うには” です。